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中央工学校「第16回高校生設計コンペ」、富工高生インタビュー!

中央工学校「第16回高校生設計コンペ」、富工高生インタビュー!

建築

中央工学校/中央工学校OSAKA主催の「第16回高校生対象設計コンペティション」で、富山工業高校建築工学科の生徒5名が入賞を果たしました!

そして5名の中で…

清水楓太さん(2年)が最優秀賞に !!!!!!

今回のコンペのテーマは、『「はたらく」×軽井沢の暮らし』で、全国49校から668作品の応募がありました。入賞は最優秀賞1名、優秀賞2名、佳作10名、奨励賞20名の計33名。なんと!富山工業高校からの最優秀賞は2年連続

とやま建設ラボ取材班は、今年の入賞者5名と昨年の入賞者2名に喜びの声を聞いてきました!

中央工学校/中央工学校OSAKA
「高校生対象設計コンペティション」
https://chuoko.ac.jp/compe/

※コンペ応募は2021年3月です。生徒の皆さんの学年は現在と異なります。

安田有伽さん(2年) 奨励賞「土間ではたらく。社長たちの長屋ハウス」

ラボ

インタビューのトップバッターは安田さん。まずは入賞おめでとうございます!

安田さん

ありがとうございます。全国からたくさんの人が参加している中で、自分の作品が選ばれたことが凄く嬉しいです。

ラボ

「土間ではたらく。社長たちの長屋ハウス」。このテーマを選んだ理由を教えてください。

安田さん

今はコンピュータやインターネットを使って仕事をしているけれど、軽井沢の自然豊かな土地では、一つ昔に戻って、自然と共存しながらの暮らし、仕事をコンセプトにしました。

それぞれの家族が、それぞれの趣味を仕事にしていて、一緒に住みながら仕事もできる家をイメージしています。

江戸時代の路地裏で家と家が繋がっていたことをイメージし、少し空間を入れることで、家族が一緒に暮らしているけれど、お互いにちょうどいい距離感が保てるようにしました。

ラボ

今後の目標を教えてください!

安田さん

このコンペを通して前よりも建築の知識を得ることが出来たので、もっと建築のことについて知識を深めていきたいです!

 

佳作の西尾大翔さん(2年)「ファーブル先生の教室。まだない未来の仕事。昆虫先生のはたらき方と暮らし方。」

ラボ

次は西尾さんです。受賞の感想からお願いします!

西尾さん

以前から設計コンペに参加してみたいと思っていました。今回初めて賞を取れたので嬉しいです!

ラボ

「ファーブル先生の教室」。このテーマを選んだ理由を教えてください!

西尾さん

テーマが「働くこと」だったので、物語の主人公をファーブル先生にして、自然を生かした建物を造りたいと思いました。

まずはコンセプトを決めて模型を作り、建物をどんなふうに使うことが出来るかを考えてから人の配置を検討しました。

天井に窓をつけたり屋根を芝生にして、空を見ながら青空教室が出来るようなつくりにしています。

天井の芝生、気持ち良さそ〜

ラボ

今後の目標を教えてください!

西尾さん

今後も技術を磨き、もっと勉強して、コンペで更なる上を目指していきたいです!

淺岡寛菜さん(2年)佳作「はたらく水。~地球冷却化時代の人と水のくらしかた~」

ラボ

「はたらく水。」面白いコンセプトです!

淺岡さん

軽井沢は自然が豊かです。自然の中にある軽井沢の環境に着目して、雪が降ってもその環境を活かすことが出来ればと思い、このコンセプトにしました。

溜まった雪を家の中に落とし込み、井戸水のように貯めることで冷蔵庫の役割を持ち、自然の水で生活を支えることが可能です。

ラボ

雪を生活に利用するわけですね。今回のコンペで苦労した点など教えてください!

淺岡さん

先生と相談しながらコンセプトを決め、図面に書き起こして進めていきました。模型の勾配の角度を合わせるための調整が非常に難しかったです。

このコンペで学んだことを今後、様々な場面で活かしていきたいです!

 

松井謙心さん(3年) 佳作「マッチング大使館。~ポケット軽井沢でお見合い大作戦~」

ラボ

松井さんは2年連続での参加とお聞きしました。手応えはいかがでしたか?

松井さん

去年、最優秀賞を頂いたのですが、今年は佳作となったので正直悔しいですね。

ラボ

今回の作品テーマを教えてください!

松井さん

コンペのテーマが「働く×軽井沢」でしたので、コロナの時期であったり、新しい働き方や職業を考えた時に「マッチング」という言葉を思いつきました。軽井沢に来てもらった人におすすめの場所を紹介し、「軽井沢と人をマッチング」することを考えました。

ラボ

模型のこだわりがスゴイですね!

松井さん

模型が一番大変でした。実際に軽井沢にある山を地図上で切り出して、表現することに苦労しました。

 

清水楓太さん(2年) 最優秀賞「木こりの家。標高1000メートルの里山ぐらし」

ラボ

668作品の中から唯一の最優秀賞、本当におめでとうございます!ご感想を教えてください。

清水さん

初めて設計コンペに出展し、最優秀賞を取れたのが嬉しいです。受賞した直後はなかなか実感が湧きませんでしたが、沢山の人から褒められたりして、『すごいことなんだな!』と、今実感しています。

ラボ

清水さんのこだわりポイントなど教えてください!

清水さん

「働く×軽井沢の暮らし」をテーマに、そして軽井沢で働くことを考えた時に、「木こり」の仕事をチョイスしました。木こりの仕事を家にどう結び付けるかを考え、木こりが一年を通して働けるシステムを最も大事にして設計しました。

この作品で一番インパクトを持たせたのが「薪を積み上げた外壁」です。木こりが積み上げた薪が、そのまま家の外壁になります。薪は乾燥するのに2年ほどかかるので、薪を積み上げては長い間そのまま置いておくので外壁の代わりになる。これが狙いです。近所の人が積まれた薪を取っていって、使ってもらう事も想定しています。

薪は一つひとつ乾燥させる時期が異なるので、自然と薪の色が変わり、家(外壁)の雰囲気が変わっていきます。また、近所の人が持っていく薪の隙間が「窓」になったりするのも面白いと思います。

中心にある大かまどで燻製の調理をしたり、囲炉裏で発生した熱を冬に活用し、温かい煙が広がって家の周りに自然と人が集まることをイメージしています。

清水さんが苦労した製作した模型。薪を積み上げて外壁となす。素敵なアイデア

ラボ

作品はどのように進めていきましたか?

清水さん

テーマを出された時に、太田先生と考えながら設計しました。最初に自分の頭の中で家の仕組みを考え、模型を作っていきましたが、昨年10月から取り掛かり、今年3月の締め切りギリギリまで製作していました。

ラボ

最優秀賞を取った時の周囲の反応はどうでしたか??

清水さん

自分よりも早く家族がホームページで結果を見て、ものすごく喜んでくれました!

ラボ

今後の目標を教えてください!

清水さん

今後もいろんなコンペに積極的にチャレンジしていきたいです。将来は「建築の道」に必ず進みたいと思います。

 

さてさて実は…前回の第15回コンペティションでは、松井さんが最優秀賞に、同校建築工学科3年生の白川小百合さんが優秀賞に輝いているんです!!!!

前回のコンペティションについて、お二人にお話をお聞きしました!

第15回コンペティションのテーマは、「アートと暮らす軽井沢の家」で、全国56校656点の作品が応募し、最優秀賞1名、優秀賞2名と狭き上位入賞者3名のうち、同校から2名が選出されています(スゴイ…!)

↓第15回コンペティション結果↓
https://chuoko.ac.jp/compe/result/result-15/

 

左から松井さん、白川さん

ラボ

約1年前のことになりますが、最優秀賞、そして優秀賞おめでとうございます!受賞のご感想から教えてください。

白川さん

作品をつくり終えた達成感があり、優秀賞を取れて嬉しかったです。先生にサポートして頂いたことに感謝しています。

ただ、最優秀賞じゃなかった悔しさもありました。先生の協力もありましたが、「この視点はあまりないだろう」と思い自分自身で考えたアイデアだったので、自信があった分悔しかったです。

松井さん

1年生の冬、初めて設計コンペに参加したのがこの中央工学校です。沢山の応募の中から最優秀賞を受賞して嬉しかったです。ただ、嬉しさの中にも「これからもコンペで良い成績を残さなければ」とのプレッシャーもありました…。

ラボ

松井さんは「クロードモネの別荘~旧軽井沢・霧の睡蓮~」、白川さんは「シェフのアトリエ♪~高山植物のハチミツと高原野菜のアート作品~」とオリジナリティ溢れる作品ですが、それぞれコンセプトを教えてください!

白川さん

テーマにある「アート」とはなんだろう?と思い、とにかくアートについて自分で調べました。テーマ通りに、素直にアート(絵画等)を前面に出すのは面白くはないなと思い、アートを「この家に住むシェフが作るスイーツ」に設定し、コンセプトを決めました。

軽井沢で採れる食材を使った料理やスイーツ、そしてキャベツなどの高原野菜に加え、蜜蜂の養蜂。これらをアートの一部として取り入れました。

樹木型の野菜棚を設置し、幹をつたって野菜を育て、育つと採って作る。この一連の流れが、この作品で成立します。

松井さん

軽井沢の特徴をまず初めに考えた時、「霧」が頭に浮かびました。旧軽井沢は年間100日ほど霧の中だそうです。その霧を生かす事が出来ないかを考え、地面の下を掘り下げて霧を溜める形にして、ストーリーを考えました。

池を作り霧を溜め、クロードモネが「霧の睡蓮」を描くためのアトリエを作ろうと考えました。軽井沢ならではの発想です。

霧を長く溜め、池を地中より低くしている事で、例え地上が晴れても池から霧が発生します。クロードモネが絵画を描く際に景色が崩れないよう、霧を留めて同じ景色を常に見る事が出来るようにしています。

道路や石畳を人が通り、池の睡蓮を眺めてもらうことをイメージしていて、公共の道路と別荘に境界がなく周囲に開けた別荘を目指しています。

ラボ

ありがとうございます!最後に今後の目標を教えてください。

白川さん

卒業後は内装・インテリア系の仕事に就きたいと考えています。内装の施工やインテリアの設計・デザインに携わりたいです。

今は、インテリアコーディネーターの資格勉強をしているので取れるように頑張っています。家具が好きなので、それぞれの住宅の雰囲気にあった家具をコーディネートしていきたいですね。

松井さん

大学進学を考えており、建築設計の道に進みたいです。これからも建築設計の勉強をして、人がより住みやすい住宅の設計を手掛けていきたいです。

最後に…このコンペで生徒の皆さんをサポートされた建築工学科の太田先生にお話をお聞きしました!

今回のコンペについて、太田先生から生徒の皆さんへ総括を

ラボ

太田先生、先ほど生徒の皆さんにはどんな言葉を掛けられたのですか??

太田先生

今回の受賞で、君たちの後輩たちが背中を追いかけてくると思う。これを名誉だと思って、今度は本当に100%の『メイドイン自分』に挑戦してほしい。そう話しました。

先生のお話を真剣に聞き入る生徒の皆さん

ラボ

なるほど…今回のような設計コンペは、自分自身の成長の機会として大きなものなんですね。

太田先生

彼らは若干1年生でこのコンペにチャレンジしています。指導者としては、授業中にコンペについて教える時間やカリキュラムがないので授業時間外に教えていますが、普段の授業以上の気持ちにさせてくれる生徒でないと教え込む事は出来ません。

なおかつ、コンペに『勝ち』を掴み取りに行く中では、絶対に普通の授業では達成出来ない面白さや目標の乗り越え方を学ぶことが出来ます。時間外に指導することは、凄く大変なことですけど、これからも出来る限りはやっていきたいです。私もそうでしたが、今回のような経験をして生徒は急激に伸びます。それを期待していますね!

太田先生、生徒の皆さんありがとうございました!

設計コンペは、今回のコンペ以外にも数多く存在します。建築はもちろん、学業や部活もある中で大変だと思いますが、皆さんの充実した顔、やり切った表情が印象的でした。

サッカー部は国立競技場を目指し、野球部は甲子園を目指す。

であれば、「建築高校生」はどこを目指すのか?どこで結果を求めるのか?

それは建築甲子園であり、各設計コンペなのでしょうか。

とやま建設ラボは、これからも高校生の皆さんの活躍を楽しみにしています!

 

PROFILE

富山工業高校建築工学科

〒930-0887
富山市五福2238

富山工業高校建築工学科 Instagram
https://www.instagram.com/tomikoarchitects/