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第13回高校生の「建築甲子園」富山工業高優勝!<後編>

第13回高校生の「建築甲子園」富山工業高優勝!<後編>

建築

第13回建築甲子園優勝インタビュー。前編では、第13回高校生の「建築甲子園」全国大会で優勝した富山工業高校建築工学科チームの生徒の皆さんに感想をお聞きしました(インタビューは今年1月下旬)。

後編では、生徒たちの今後の進路や目標と、チームの監督を務めた太田明博先生にインタビューしていきます!
※≪前編≫をお読みいただいてから、後編にお進みください!
https://www.kensetsu-labo.com/article/5831

優勝作品:「奇跡の村の玄関。~村民と子供たちとの暮らし方~」

前列左から鈴木千寛さん、鉾井陽天さん、後列左から太田明博監督、水口晴天さん、吉田直彦さん、和田龍之介さんの優勝メンバー6名(表彰式にて)

ラボ

前編では優勝作品について色々お聞きしました。後編は皆さんの事についてお聞かせください。皆さんの卒業後の進路と今後の目標を教えてください!

鈴木さん

卒業後は名古屋にある大学の建築学科に進学します。今回の作品は自分たちの作品ですが、太田先生の協力があってこその作品です。将来は一級建築士になり、自分の力で作品を作ることが目標です。将来は富山に帰ってきて就職したいと考えています。

鉾井さん

私は英語の専門学校に進学するので、建築の世界からは一旦離れます。コロナが落ち着いてくれば海外進出する企業が更に増え、グローバル化もより進んでくると思っています。

これまで学んだ建築と、これから学ぶ英語を融合させて世界を舞台に活躍したいと考えています。

水口さん

石川県の大学でこれからも建築を学びます。設計や製図に力を入れている学校なので、将来は建築士の資格を取得して活躍したいと思っています。

知り合いの建築士の人から、建築士の仕事はキツイぞ!と聞いているので少しビビっていますが…(笑)。

吉田さん

私も水口君と同じ大学に進学して建築を学びます。将来は建築士になり、友人や家族の家を設計したり、少し変わった面白い家を設計できるようになることが目標です!

和田さん

私は大学に進学しますが、建築から一旦離れて社会系の学部へ進みます。今回の建築甲子園優勝という大きな経験を活かして、大学でも様々なことに挑戦したいと思っています。

高校で学んだ建築と大学でこれから学ぶことを活かして、『まちづくり』に貢献できるよう頑張ります!

ラボ

皆さんの将来の更なる活躍を期待しています!

太田先生、監督として全国大会優勝の感想を聞かせてください。

太田先生

彼らが富山工業高校に入学したときは先輩たちが第7回・第8回の建築甲子園で2連覇しました。

彼らは、自分たちもそこに携わりたいとの想いを持って入学してきたと思います。

”消しゴムの使い方”や”片付け”にもこだわって指導した太田先生

ラボ

第7回は富山市辰尾団地のリノベーションで地域再生を図る作品、第8回は蓮町団地(県職員住宅)を職住一体型の複合施設に改修する作品でしたね!

太田先生

そうです!第8回建築甲子園がきっかけで実際に動き出した県の創業支援センター『SCOP TOYAMA』の実建築に先輩たちが授業の一環として取り組む姿を見てきました。

しかし、『SCOP TOYAMA』は昨年竣工を迎えたことで、彼らの同級生はあまり携わることができなかったんです。

第8回建築甲子園優勝がきっかけとなり現実となった「SCOP TOYAMA」

イベントスペースに先輩たちがワークショップで製作した照明を設置

設置された「紙風船ランプ」

照明・椅子・テーブル・壁面グラフィックはすべて富工高生とデザイナーが協働で製作

丁寧に仕上げ!

ラボ

課題研究では、照明の取り付けや壁面グラフィックを行った班もありましたが、全員が携わることができなかったのですね。

太田先生

そんな先輩たちから渡されてきたバトンが、竣工により一つの区切りを迎えようとしたタイミングで彼らは次の種を撒き、次の世代にバトンを繋げることができたと感動しています。

ラボ

太田先生は今回の作品についてどう感じていらっしゃいますか?

太田先生

実は製作途中から、「ひょっとしたら優勝できるかもしれない」と思っていました。

彼らの同級生が作品を見に来て「すごい!すごい!」と驚きの声を上げてくれていたので可能性を感じずにはいられませんでした。優勝の知らせを聞いたときは本当に感動でした…!

そして、今回のインタビューに生徒それぞれがしっかりと答えられていたことに、課題研究での成長を感じています。それぞれが自分の中で課題を消化しながら、しっかり製作に取り組めていたことが、この場で成果として見ることができて嬉しく思っています。

課題研究に一緒に取り組んだ建築工学科3年生の松井謙心さん

ラボ

今日は課題研究に一緒に取り組んだ松井さんも来ていただきました。まずは太田先生、課題研究について教えてください!

太田先生

3年生の課題研究では、建築の製図などに取り組もうと手を挙げて集まったのが建築甲子園に参加した5名に松井謙心君を含めた6名です。

各々、設計に関するコンテストに一人1作品を制作する取り組みを行ってきました。こちらがみんなの作品です!

 

日本工業大学 建築設計競技(1等)鉾井陽天

 

とやま県産材住宅コンペ(1等)水口晴天

 

道都大学 建築設計競技(2等)吉田直彦

九州産業大学 建築設計競技(3等)和田龍之介

 

とやま県産材住宅コンペ(2等)松井謙心

太田先生

この課題研究のなかで、建築甲子園は鈴木君がリーダーとして取り組み、自分の作品制作が終わったメンバーが順次合流して作業を進めてきました。

松井君はコンペでの優勝経験もあり、次のステージを見据えて自分の作品に最後まで注力してもらっていたので、建築甲子園には加われませんでしたが、この6名が本来のメンバーです。

ラボ

松井さん!一緒に課題研究に取り組んだ仲間の優勝について感想を聞かせてください。

松井さん

私は建築甲子園には参加できませんでしたが、一緒に課題研究に取り組んだメンバーには、「優勝おめでとう!」という気持ちが一番です。

課題研究に集まった一員として、一番近くで取り組みを見させてもらえたことに感謝しています。

ラボ

本当は建築甲子園に参加したかった…そんな想いはありましたか?

松井さん

本当は、自分の作品を早く終わらせて建築甲子園のメンバーに加わりたかった思いも少しありますが、私も大学でこれからも建築を学ぶので、次のステージで頑張ります‼

松井さんは1年生のときに初めて参加した設計コンペで最優秀賞を受賞

中央工学校主催 第15回高校生対象コンペティション 最優秀賞「クロードモネの別荘~旧軽井沢・霧の睡蓮~」

※松井さんが受賞した、中央工学校主催の設計コンペの記事はこちら
https://www.kensetsu-labo.com/article/4400

ラボ

それでは最後に、生徒の皆さんへ先生方からメッセージをお願いします。

太田先生

自分から手を挙げてチャレンジすることは怖いかもしれないが、一つ上のステージに上がってみることが大事。自分から動き出すことが大切!

生徒たちに熱く語りかける太田先生

発明家エジソンが99%の努力と1%のひらめきと言っていますが、私はこのひらめきは『出会い』だと思っています。毎日、目の前を通り過ぎている出会いを目を開いて見つけることで、1%の自分だけではどうにも出来ないひらめきを掴んで欲しいです!

ラボ

藤井先生からもメッセージをお願いします!

藤井先生

第7回、第8回建築甲子園で監督として全国優勝した建築工学科の藤井和弥科長

建築甲子園は13回開催のうち、富山県の高校が3度も優勝していることは本当にスゴイことです!

先輩たちも含め、彼らに富山の建築業界を盛り上げてほしいと思っています。高校生は建築甲子園で盛り上がりました。

このメンバーは4月から県外の大学に進学しますが、大学卒業後は富山に戻って来て、富山の建築業界を盛り上げてくれることに期待しています!

ラボ

建築甲子園優勝おめでとうございました!春からの新しいステージでの活躍を期待しています!ありがとうございました。

PROFILE

富山工業高校建築工学科

〒930-0887
富山市五福2238

富山工業高校建築工学科 Instagram
https://www.instagram.com/tomiko