第13回高校生の「建築甲子園」富山工業高優勝!<前編>
2022年度第13回高校生の「建築甲子園」で、富山工業高校建築工学科チームが優勝し、5年ぶり3度目の日本一に輝きました!!!
ところで「建築甲子園」ってなに?
高校生の「建築甲子園」は、日本建築士会連合会と都道府県建築士会が主催する高校生を対象とした設計コンペです。将来の日本の建築を担う工業高校・高等学校・工業専門学校等の生徒を対象に、教員と生徒が協働し、夢や想像を「もの」へと造りあげる過程で発想力の向上などを図り、将来の建築士会の一員として活躍することを目指す取り組みです。
今回は、テーマを『地域のくらし-これからの地区センター』とし、35都道府県65校から117作品が参加。富山県代表として出場した富山工業高校の作品が、見事に全国の頂点に立ちました!
ラボ
全国優勝の快挙を成し遂げた富山工業高校チームの生徒と監督にインタビュー!まずは、生徒らが自作したプレゼンテーション動画をご覧下さい!
ラボ
第13回高校生の「建築甲子園」全国優勝おめでとうございます!まずは、優勝の感想を聞かせてください。
鈴木さん
優勝することが出来てとても嬉しいです。この優勝の経験を糧に、大学進学後も多くのことにチャレンジしていきたいと思います!
鉾井さん
私は昨年も建築甲子園に参加し、ベスト8で青年委員長特別賞を頂きましたが、優勝に届かず悔しい思いをしました。再挑戦するからには優勝を狙っていましたし、今回リベンジできてよかったです!
水口さん
優勝?!と最初は驚きもありましたが、素直に嬉しかったですね。今後も様々なコンペに参加して、今回のような大きな大会で優勝に近づけるように頑張りたいです。
吉田さん
優勝できて率直に嬉しかったです!私もこの経験を活かして多くのことにチャレンジして頑張っていきたいと思っています。
和田さん
まさか本当に優勝できるとは思っていなかったです…!驚きもありますが、率直に嬉しいです!
ラボ
それでは、優勝作品について触れていきます!今回の作品で舟橋村の地区センターをテーマにした理由を教えてください。
鈴木さん
はいっ!今回テーマは『地域の暮らし-これからの地区センター』ですので、県内でテーマに見合う課題を持つ地域を探していました。
舟橋村は過去に人口に占める「子供の割合日本一」を達成したことで「奇跡の村」と呼ばれていますが、その子どもたちがコロナ禍の影響で人との関わりが制限されてしまっていることが課題だと強く感じたんです。
そこで、舟橋村に新たな地区センターを設けて「コロナに負けない、強くて優しい子供たちに育てる」ことを目的としています。
鉾井さん
コロナ禍の子どもたちは、外でのびのびと体を動かすことや、頭を働かせることがあまりできていないと感じていました。そんな子どもたちを「救いたい、どうにかしてあげたい」との想いがありました。
コロナが収まった際には、地区センターのひな壇で近隣の小中学生が発表会を行ったり、地下のトンネルでは母親たちが集まって子どものお下がりを交換し合うバザーのようなイベントを開催するなど、コロナ禍であってもなくても村の中心に相応しい地区センターになるように考えました。
ラボ
今回のメンバーは、建築工学科3年生の5名と監督の太田先生。それぞれの担当を教えてください!
鈴木さん
全体のコンセプトや計画地の選定、様々な仕掛けは、私と鉾井君、太田先生の3人が中心となって考えました。
建築パースは鉾井君が作ってくれて、水口君、吉田君、和田君の3人が手描きで色を塗り、様々な人の絵を描き込むことで温かみのある作品に仕上げることが出来ました!
ラボ
制作期間中、苦労した点や工夫したところはありましたか??
鈴木さん
特に苦労したのは、様々な仕掛けを作り過ぎて情報量が多くなり、規定の用紙に収まり切らなくなってしまいました(苦笑)。
規定のサイズに収まるよう、新聞紙面などを参考にしてパースや題名の配置を考え、どう読んでもらえば最もストーリーを伝えることができるか?!時間を掛けて工夫しました。
鉾井さん
パースは作品それぞれに合った雰囲気が大切だと思っています。今回は子どもたちがメイン。どうすれば図面に合ったパースを描けるか?と、毎日考えながら描きました。
水口さん
私が担当したのは図面の色塗りの部分です。太田先生からも「妥協しないように!」と言われ続けていたので、図面を目立たせるような着色の仕方を工夫し、何度も練習を重ねて仕上げています。
吉田さん
パース内の様々な人の絵を主に担当しました。人の動きや色づかいなどをしっかり考え、全体の雰囲気に合うよう繰り返しトライしました。
和田さん
建築パースで鉾井君のサポートをしていましたが、人や物をバランス良く配置して、よりリアルにイメージを伝えられるよう工夫しました。
ラボ
作品の一番のポイントがあれば教えてください!
水口さん
立山杉の間伐材を使った独特な柱です!真っ直ぐな一本の柱ではなく、ちょっと変わった形をしている組み木柱です。子どもたちが登ったりもできる独特な形で、まるで森林にいるような空間をイメージしています。私の推しです(笑)。
鈴木さん
2階にある学童保育のスペースです。縦長の空間ですが、建築家・坂茂さんの作品で兵庫県淡路島にある『禅坊 靖寧』を参考に、周りの景色を見渡せるところですね!
ラボ
ありがとうございます!実際に行ってみたくなるようなポイントばかり!皆さんはこの地区センターの活用をどのようにお考えですか??
和田さん
イベント広場での食べ歩きイベントです!実際にこんな地区センターがあれば、子ども連れの家族が遊びに来るのでは?と思っています。
吉田さん
イベント広場や屋上を活用して、様々なイベントを開催してほしいと願っています。どちらも広いスペースで多くの人が動き回れるようになっています。
鉾井さん
私は…逆に人混みが苦手でして(笑)。屋上で雄大な立山や近くを走る電車を眺めたり、本を読みたいです。静かにのんびり寛ぐのもアリです。
ラボ
プレゼンテーション動画は完全オリジナルですか??
鈴木さん
動画のナレーションは、私と鉾井君が担当しました。動画の編集も鉾井君です。鉾井くんありがとう!
鉾井さん
動画編集は初めての経験でした。動画編集ソフトを使い、先生方の協力のもと教えてもらいながら作成しました。提出したプレゼン動画はナレーションはもちろん日本語ですが、海外の人にも見てもらいたいと思い英語版も作成しています。ぜひ世界中の皆さんに見てもらいたいです。
↓こちらが英語版です↓↓
ラボ
皆さんの先輩で、2017年建築甲子園優勝作品が「SCOP TOYAMA」(創業支援センター、創業移住促進住宅)として本当に実現しました。舟橋村でも実現したり…なんて期待してしまいますよね!
鈴木さん
はい、期待しています!制作途中から太田先生に「これは優勝できるんじゃないか」と言ってもらったのもあり、優勝後の実現も意識しなかったと言えば嘘になるかもしれません。もし実現したら「将来は舟橋村にみんなで住んで家建てような!」とメンバーで話してます(笑)。
後編は、生徒たちの今後の進路や目標、太田監督には優勝の感想を伺っていきます!お楽しみに!
後編につづく…