連載記事
テーマに沿って、12名の建築家が建築設計に対する想いや考えを綴り、バトンを繋ぎます。
2周目のテーマは、「完成までのプロセス(人との出会い)」です。
※毎週火曜日に掲載
中斉拓也建築設計
テーマ vol.2完成までのプロセス(人との出会い)
「建築の輪」
リレーブログということで、私より以前のブログも拝見しつつ、前の方々とはあえて少し違う切り口で綴ろうと思います。
社会のなかでは、人と人との出会いが無数にあります。出会いによって人は磨かれ、人がいることで自分の立場ができ、その立場で覚悟をもって生活していることで、また人は磨かれていくものだと思います。
こうして自分を磨いていく意識を常日頃から持ち続けることで、恐らく、建築設計という縁(出会い)に触れていけるのだと思います。ですから、学生の皆さんには、自分が磨かれる、自分を高めてくれる素敵な出会いを沢山して、人間力を高める意識を常に持ち続けてほしいです。
クライアントの大きな夢を請け負う立場の設計者にとって、人間力はとても大事です。まだまだ私自身は未熟ですが・・(笑)。
建築が完成するまでには、クライアントをはじめ、行政、職人、現場監督、様々な立場の人との対話を重ね、理想と現実の狭間の中でお互いに考えを伝え合う。時には、困難な問題にも直面しながらも、少しでもより良いものづくりを最後まで続けるために邁進していかなければいけません。そのプロセスのなかでは、常に設計者としての立ち振る舞いや言動が問われるので、色々な人と出会い、自分の内面外面を磨き、沢山の知識を得ておくことが必要なのです。
最後に建築現場に関する出会いのお話を少しだけ。
私は、独立してから建築現場で多くの同級生・同世代の職人さんと出会いました。みんな高い志とユーモアを持って、「少しでも良いものになれば」の一心で建築を完成へと導いてくれています。
最近、私の周りにはとても頼もしい建築の輪が出来てきたことを実感しています。自分の仕事に責任と誇りを持って取り組む姿からはいつも刺激をもらっています。これは私にとってかけがえのない宝物です。これからも素敵な志をもった方々と共同しながら、品質の高い建築をつくっていきたいと思っています。