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※隔週火曜日に公開
「富山県建築士会70周年記念講演会」
わかもんVol.21は、5月28日に開かれた富山県建築士会の創立70周年記念事業「~つながったバトン 未来につなげるバトン~」と題された講演会について。
これまで「わかもん」を読んで下さっている方であれば、この講演がどんな内容か予想はつくかもしれませんし、もうすでに会場やYouTubeでご覧になっているかもしれません!この講演会は、建築甲子園優勝から蓮町事業のこれまでを紹介されたものです。
スピーカーは、同施設の設計を手掛ける建築家の仲俊治さん(仲建築設計スタジオ)、2017年建築甲子園で監督を務めた富山工業高校建築工学科科長の藤井和弥教諭、富山県知事政策局成長戦略室創業・ベンチャー課の野村慎太郎さんの3名。仲さん、藤井教諭、野村さんの3名が、建築甲子園優勝から同事業の実現までをそれぞれの視点で語られました。
#建築甲子園優勝 #ワークショップ #シェアハウス #シェアオフィス #縦糸横糸 #セミラティス #職住一体 #高校生 #伝統
講演の内容をタグで表現すると、上記のような感じでしょうか。講演会は同事業を知り、理解するまでの最もシンプルで近道かもしれません。
そして、講演会には、2017年建築甲子園優勝メンバーの榊原由比菜さん、新村希和さん、早野詩織さんの3名もゲストに招かれ、自ら考案したプランが現実となった想いを語られました。
藤井教諭は、同事業のきっかけとなった建築甲子園優勝について…
「建築甲子園は、『地域の暮らしを考える』ことが毎年テーマ。2017年の副題は『空き家を活かす』ことでしたので、富山市蓮町にある旧県職員住宅に着目しました」
「生徒達はコワーキングスペース、ギャラリー、シェアハウスなど、若者が未来を作っていけるよう、先進的な働く場所や住む場所を提案に盛り込み、外部に居住空間を拡張して、人々の生活が『上下左右』に繋がっていくことを考え、田舎の富山でも夢を追いかけることが出来る。そんな施設を目指してプランを練り上げてくれました」
ワークショップについては…
「2016、2017年と建築甲子園で優勝しましたが、『先輩凄いね』では終わらせたくなかったんです。カフェに設置するものを製作することは、自分以外の誰かを想定してつくることになり、高校生でその経験を得られることは中々ありません。3代にわたって生徒がワークショップに取り組んでいますが、先輩のつくったアイデンティティを引き継いでブラッシュアップしていくこと。これこそが本当の伝統だと感じています」と熱い思いを語られました。
高校生のプランが現実になり、その想いを引き継ぐこととなった仲さんは、「設計プロポーザルの時は、高校生のプランに非常に共感し、是非ともこの夢の続きに参加したいと思いました」
「この施設は『職と住の受け皿』として整備され、住むことと働くことを混ぜていく。建築物の骨格を『縦糸』とし、横断的な要素を『横糸』として重ねる建築的要素を取り込んでいます」と設計コンセプトを説明されました。
野村さんは、「この事業は高校生が生みの親。高校生が施設の名づけの親でも良いのではないかと考え、愛称を決めるためのワークショップも展開してきました。施設名は『SCOP』(スコップ)で、スタートアップ・コネクト・プロジェクトの頭文字から名付けられました」
「この事業は高校生から託されたバトンを大人が引き継ぎ、高校生の夢を大事にしてきた事業です。誰かの幸せを想像して、誰かの幸せを創造することを目指し、皆さんの笑顔とエネルギーが集まる施設にして、一緒に富山を元気にしていきましょう!」と意気込みを語られました。
講演の様子は、富山県建築士会のYouTubeチャンネルで公開されています!ぜひともご覧ください!
富山県建築士会YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCeqgEZ8OCdHS6VzolAKUjFQ
~バトン1 高校生のからプロへのバトン~
https://youtu.be/kc1LK9EbEf4
~バトン2 プロによって磨かれたバトン~
https://youtu.be/Pk0e_oCh0-o
~バトン3 後輩へつなぐワークショップ~
https://youtu.be/nyvjnfFiZw0