連載記事
※不定期連載
日々、「嬉しい」
Q. 建設業界に入ったキッカケを教えてください!
東城に就職したのは、高校3年生の会社見学がキッカケでした。東城を見学する前は、他社の事務職を希望していましたが、東城は私がイメージしていた建設会社とは違い、会社全体の雰囲気が暖かく、社員一人ひとりの意見を大事にし、会社が社員に寄り添ってくれるような「アットホームな会社だなぁ」との印象を受けました。
高校に入るまでは土木や建設業について興味・関心が全くありませんでしたし、自宅から近いだけの理由で桜井高校を選びました。ただ、高校3年間で土木について学び、資格取得に励んだ経験があったからこそ、それを生かせる建設業に進みたいと思いました。
Q. 高校3年間の学びが重要だったんですね。
そうですね、ただ…土木科の女子はクラスで私一人でした(苦笑)。一つ下の学年も一人で、上の学年は一人もいなかったような…。
Q. クラスに女子お一人ですか???
はい、最初は地獄でしたね(笑)。高校の受験会場に行った時に「あれ…?もしかして私一人?」って。ただ、慣れてしまえば逆に楽でしたし、クラスや同学年にもたくさん友達は出来ました。部活動はサッカー部のマネージャーでした!
Q. 土井さんが思う、これだから「この仕事はやめられない」を教えてください。
私が所属する地質調査課は、自社や他社のいろんな現場に出向き、土質(どしつ)や地質、地盤などの試験や調査を行います。
一つの現場を「最初から最後までやり遂げる」ことはありませんが、道路や林道、宅地造成など様々な現場に携わり、工事のお手伝いが出来るので、学びがいっぱいあります。
他社の現場に行った時は、施工について色々な意見を聞いたり、会社によって異なる施工を直接見ることもできるので、これこそが地質調査の魅力だと思います!
また、試験や報告書で携わった現場が完成しているのを見たり、同業他社の現場監督さんが当社を選んで何度も試験や調査に呼んでくださったりします。
日々、「嬉しいな」と感じる事が多いのも、この仕事が好きな理由の一つですね。
Q. 学生さんには馴染みがない方も多いかもしれない「地質調査」のお仕事について、詳しく教えてください!
まずは現場に行き、土の密度試験(砂置換法)に必要なもの採取をします。帰社次第、土を乾燥機にかけて乾かし、乾燥が終われば専用のソフトを使って密度の計算をします。
地盤に含まれる土・水・空気の割合・環境により、地盤の力学的性質が大幅に変化するため、 土質試験により地盤を構成する土の状態と性質を調べ、地盤沈下や液状化のリスクを低減させる。
Q. 土のソムリエ…初めて聞きました!建設業の仕事を始めて、「忘れられないエピソード」があれば教えてください。
入社当初の事だったのですが、山奥の現場で土の密度試験途中に試験機トラブルがあり、夕方に終わる予定の試験が夜までかかった事がありました。山奥なので携帯電話の電波もなく、次第に暗くなっていく山の現場に不安と、体験したことのない状況にワクワクしながら、上司と先輩のお陰で無事に試験を終える事が出来ました。これは今でも忘られない貴重な体験です。
Q. この他、仕事で感動した事はありますか?
以前、富山西インター近くにある呉羽南部企業団地内に整備する舗装工事の大きな現場に、毎日のように通っていました。ほんの少ししか携わっていないかもしれませんが、完成した時は非常に嬉しかったことを覚えています。今は企業団地となっているその現場ですが、見掛けた時に「あの時は頑張ったな」と嬉しくなります! 工期が長い現場、大規模な現場だと、朝から夕方までひたすら穴を掘っている時もあります。3穴で一測点なのですが、一日最大で24測点を掘ったことも(笑)。
Q. 土井さんが感じる「ここが変だよ!建設業」を教えてください!
私よりも一回り以上、年上の方々の体力にいつも驚かされます…!私が暑くてバテていたり、重い物に手こずっていると、持つのを変わってくださったり、「ちょっと休んどられ〜」と優しい声を掛けてくださる方が本当に沢山います。いくつになっても元気に働かれている先輩方には「一生敵わないな」と思わせられることばかりで、体力お化けみたいな方がたくさんいらっしゃいます(笑)。
Q. 若い方よりも元気なんですか?!
そうですね!若い方も現場に増えてきている気もしますが、現場にはベテランの方がやはり多いです。もっと若い方が増えてもいいと思いますね! 昔の建設現場は「きつい・汚い・危険」の3Kのイメージがあったとは思いますが、今はそこまで感じることはないです。学生さんや若い方が入職するためには何か「キッカケ」のようなものが必要だと思うんです。 興味を持ってもらえれば入りやすい業界だと思いますが、興味を持ってもらうまでが大変かもしれません。とやま建設ラボを見て、今の建設業を知ってもらう事も大事ですよね。
ここで、同じく地質調査課で土井さんの上司である曽出信宏さんにお話を伺いました!
ラボ
土井さんの普段の仕事ぶりを教えてください!
曽出さん
結婚されてずいぶんと仕事への意識が変わったと思います。家庭を持ったら仕事への意識が違うのではないかなと。誰しもが若い頃は遊びたいですから(笑)。
ラボ
自分一人ではなく、「家族のため」といった意識が芽生えるのでしょうか。
曽出さん
お子さんの体調や新型コロナの影響で出社が難しい時も、「自宅でPC作業をさせて欲しい」と申し出があったり、土井さんが発言する言葉の中身が変わってきたように思います。土井さんから「働かせて欲しい」という仕事への熱い意欲を感じます。
ラボ
男性の割合が多い建設現場ではありますが、土井さんの現場での立ち振る舞いはいかがですか?
曽出さん
地質調査は社内での作業が主となりますが、現場では男女の差を設けないように意識しています。多少の力仕事もこなしてもらい、土井さんにはこれから益々、技術者としての成長して欲しいと思っています。
私は入社して18年目ですが、とにかく「土を触れ、握れ」とずっと先輩から言われてきました。握って感じを掴み、土砂の様子などを認識するための現場観察も大事だと指導してもらってきました。土井さんもこれから身に付けてくれれば嬉しいですね。
そして、地質調査の世界は女性が非常に少なく、他の会社でも女性の技術者を見たことがないです。可能であれば、私の後釜になってもらえると嬉しいですね!
ラボ
建設業を志す、学生さん・若者に向けての一言お願いできますか?
土井さん
建設業は3Kのマイナスなイメージを持たれがちですが、最近では技術革新や働き改革が推進され、ドローンやICTなどの最先端テクノロジーの利用が主流となっていたり、3Kを「給与・休暇・希望」の新3Kに変えるための取り組みが大きく進められています。
私も3年前に出産し、産休・育休の経て2年前に仕事復帰しましたが、会社は上司、先輩、優秀な後輩たちのサポートのお陰で仕事と子育ての両立が出来ています。
建設業は「男性の仕事」とのイメージがありますが、女性でも働きやすい環境や体制が建設業界全体で広まっています。私自身も現場で朝が早い時は家族、会社や上司のソデさんの協力を頂いています。若い世代の方々にもっと建設業に興味を持っていただけたら嬉しいです!
1日のスケジュール
土井さんの1日のタイムスケジュール
- 6:30
- 起床
- 8:00
- 出社
- 現場対応
- 報告書作成業務
- 12:00
- お昼休憩(現場の時はお弁当、自宅が近いので帰宅して家事も!)
- 13:00
- 現場対応
- 報告書作成業務
- 17:00
- 退社
- 19:00
- 夕食・入浴・子供と遊ぶ、寝かしつけ
- 23:00
- 就寝
PROFILE
株式会社東城地質調査課土井結衣さん
1999年7月生まれ、魚津市出身
出身校:桜井高校土木科
職業病なのか、車を運転していると舗装工事の仕上がりが気になるとのこと。冬が好きだが暑がりでこの仕事に向いているかはわからないそう(笑)。入社6年目。趣味は家族との散歩。