連載記事
テーマに沿って10名の建築家・建築士が建築設計への想いや考えを綴り、バトンを繋ぎます。
第5弾のテーマは「建築設計の楽しさ」です。
※毎週火曜日に掲載
福見建築設計事務所
テーマ vol.45建築設計の楽しさ
「モノづくりを楽しむ、日常を愉しむ」
ケンチクノワ2もいよいよ最後の回になりました。一つのテーマに対して、10人様々な視点からのアプローチがあって私自身も大変学びになりました。
また、普段から交流させていただいている設計仲間の方々は、こんなことを考えながら日々設計に向き合っているのかと楽しく拝見させてもらいました。普段ここまで踏み込んで建築談義を交わしたことがなかったのですごく新鮮でした。
さて、今回のテーマ『建築設計の楽しさ』について。
施主からの要望を受けてプランニングしている時、どうすれば機能的にかつキレイなデザインにまとめ上げるかを考えること、とても楽しいです。
図面を描いているとき、細かいディテールを整理してキレイな納まりを考えること、とても楽しいです。
工事が始まり、実際に描いていた2次元の図面をもとに、目の前に自分の思い描いたものが形になっていくこと、とても楽しいです。
施主や施工者の方々と意見を交わしながら一つのものをつくりあげていく、そしてそれが完成した時、とても感動します。
どの場面を切り取っても『モノづくりの楽しさ』というものが随所に散りばめられています。たまに大変なことや辛いこともありますが、完成した時の感動ですべての苦労や辛さは吹き飛びます。その感覚を求めて日々設計をしています。
設計の仕事としては、建物の完成で一旦区切りはつきますが、建物とユーザーはここからがスタートです。
その建物は、街の一端となり長い将来そこに在り続けます。自分が丹精込めて設計した建物が新しい風景として日常に馴染み、街の至るところに点在していくことになります。そしてその建物は、様々な人に利用され、その人たちの生活の一部になっていきます。
例えば学校であれば、子供たちの学校生活の一部として一生心に残ることになります。そして学習環境、人間形成にも大きく影響を与えることになります。
そんな街の風景を眺めること、そして建物が使われている風景を眺めること、建物が完成した後にはそんな『日常の愉しみ』が待っています。
建築設計という仕事は、人々の日常を豊かにし、彩りを添えることができます。その人々は、見知らぬ誰かかもしれないし、私の良く知る友人や知人、家族かもしれません。
『どこでなにをつくるか』
富山で生まれ育った私は、富山で建築をつくる意義を感じながら日々設計に励んでいます。楽しみは、そこに建物がある限り続いていきます。
最後に、私はいわゆる組織事務所といわれる設計事務所で建築設計をしています。設計を完成させるためには、一人の力だけではなく一つのチームとして設計に取り組んでいます。
上司、先輩、後輩たちとチームだからできる良さ、強みを生かして、リレーブログの中で紹介させてもらったような建物も設計しています。今回は代表してブログを書かせてもらいましたが、みな熱い思いを持った設計チームであることを最後に伝えておきます。
このリレーブログを機に、少しでも建築に興味を持ったり、設計を志す若者が増えることを願っています。